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仙台藩伊達政宗霊屋

政宗公御木像

2019.06.08

東北南部も梅雨入りだそうで、仙台でもここニ、三日は雨模様が続いています。そんな中、お客様にはお足運びいただき大変に有難いことです。
先月の末、5月24日は仙台藩祖伊達政宗公の三八四遠忌でした。当日は瑞鳳殿本殿前で御法要が執り行われ、関係寺院の御住職様の読経や
お茶や香、お花、笛奏などの奉献が行われました。この御法要は戦争による中断を除き、江戸時代から令和元年の今年まで、形は変わりつつも
続けられて来たものです。
画像は戦災による焼失前に撮影された政宗公御木像です。寛永十七(一六四〇)年五月二十四日政宗正忌(命日)に二代藩主伊達忠宗公によって
瑞鳳殿本殿に安置されました。この像は仏堂でいう本尊にあたり、壮麗な家形厨子に納められ、藩主の参詣や命日の法要など特別な時のみ
御開帳されたものと推測されます。また享保年間に行われた政宗公の百回忌には瑞鳳殿の大々的な修造が行われた記録があり、その際にこの御
木像も彩色を新たにしています。江戸時代を通し、藩祖の尊像として大切にされてきた政宗公御木像でしたが、昭和二十年の仙台空襲によって
瑞鳳殿本殿やその他の木造建築群とともに失われてしまいました。
現在の霊屋に安置されている御木像は戦後再建の折、仙台市出身で日展審査員であった彫塑家阿部正基氏によって制作されたものです。
残された御木像写真や肖像画、墓室から出土した頭骨をもとにした復元像などから想を得て制作された御木像は、焼失前とはまた違ったリアリ
ティを感じさせるものとなっています。
この再建御木像も普段はご覧いただくことができませんが、御命日の5月24日、仙台七夕8月6~8日(昼間のみ)、秋の特別御開帳期間、新年拝
礼式の1月2日など、年に数回ご覧いただく機会がございます。この時期に仙台へお越しの際は、ぜひお立ち寄りいただき、仙台の礎を築いた藩
祖政宗公に思いを馳せていただければ幸いです。